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まなゆうのガブ飲みワイン日記

どんなワインに出会えるのか、ドキドキしながらコルクを抜きます。そのあとの印象を自分なりに勝手に解釈して、日記風に書いてみます。 それに、京都や旅の話題なども取り混ぜて。

わが永遠の 坂本九

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実は、今日は子供の誕生日。本来なら、そんな嬉しいことを思い浮かべなければいけないんですけど、、、、毎年、今日の私の頭の中は、どうしても子供が生まれるちょうど一年前のこの日にタイムトリップしてしまうんです。
ちょっと長い文章になるかもしれませんけど、、、、、

★ その日
  その日も私はいつものように午後6時過ぎまで会社で仕事をしていて、その後一直線で帰宅途中でした。なにしろ、新婚二ヶ月目。我が家では愛妻がおいしい晩御飯を作って待っていてくれているんですから。
  その車の中で、ラジオから流れてくる臨時ニュースで「日本航空機遭難」の事故を知ったのです。「ウヒャー、大変やあ。」と思いました。なぜなら、わが妻は結婚を機に日本航空を寿退社したばかりだったのですから。
  家に帰り着くなり、事故のことを話すと、妻の顔色が一瞬にして変わり、もうテレビの臨時ニュースにかじりついていました。おかげで、私は楽しみにしていた晩御飯を食べられなかったように思います。

★ 事故後の混乱
  翌日には事故の現状も明らかになり、現場での救出活動や、奇跡的な生存者の映像も流されたのですが、日本航空大阪支店の地獄はここから始まったのです。何しろ、JAL123便は伊丹着ですから、犠牲者に多く在阪者がいます。そして、そんな犠牲者の多くの遺体は完全なものはほとんど無く、当時の技術で遺体を判別できる方法は歯型の照合だけだったようです。(機長の遺体は顎の一部だけだと言われています)
  ですから、日本航空大阪支店の社員が交代で犠牲者と思われる方の歯型を歯科医に確認したり、それ以外に遺体の識別ができるものが無いか遺族に確認したり、それこそ、朝も夜も無く走り回ったのです。そのころは、わが家にも妻の元同僚から頻繁に電話がかかってきていました。妻はみんなを励ましながら一緒に泣いていましたが、結果的には元上司だった女性の課長さんは過労が元で亡くなってしまいました。(この作業は4ヶ月以上続いたと思います)
  そんな時に、私の妻が新聞を読みながらつぶやいた言葉で今も忘れられないことがあります。「JA8119かあ、この飛行機は良く故障してたのよね。それで遅れが出て、良くお客さんに怒られたもんだった。でも、同じ様な飛行機はまだ二機あるしなあ。」私はその後の国内出張には極力全日空を選ぶようにしました。

★ 九ちゃんが乗っていたんだ
  事故直後のニュースで、乗客名簿も公開されましたからどんな方が犠牲になられたのかは判りました。優勝目前の阪神タイガースの社長さんも、大企業の偉い人も、宝塚のスターも。でも、私を一番驚かせたのは九ちゃんが乗っていたことです。
  九ちゃんを知ったのは当然テレビでなんですけど、一番古い思い出はNHKの「夢であいましょう」という番組なんです。実は自慢たらしい話になるんですが、我が家には当時、京都で3台目だといわれたテレビがあったんです。(父親の話です)アメリカのゼニスというメーカーの白黒テレビなんですが、新しいもの大好きの父親がどこからか手に入れてきたんでしょうね。
  そのテレビに映るいろんな番組の中で、九ちゃんはいつも明るい好青年。あの笑顔で、コントで、みんなを笑わしていました。そして歌を歌えば大ヒットを連発。その歌も、当時小学生の私でもすぐに覚えられるくらいやさしいメロディで歌詞で、、そして短かった。あのころの九ちゃんをキライだといった人間なんかこの世に存在しなかったんじゃあないかなあ?
  「刷り込み」ってあるでしょう?アヒルの子供は生まれて見た最初のものをお母さんだと思い込むというような、、、、私にとって九ちゃんはまさにそれで「自分のお兄さんはこの人や!」とずっと思い込んでいたんです。
  まあ、そんなこんなで、九ちゃんの映画はほとんど見たし、ホントに肩までドップリ浸かっていた時期がありました。
  そんな小さなころの思い出が次から次に頭の中に浮かんできて、、、浮かんできた理由が九ちゃんの突然の死が原因で、、、、その突然の死があまりにも非条理な飛行機事故で、、、それこそ、元同僚の苦労を聞いて一緒に泣いていた私の妻もあきれるくらい落ち込みました。

★ 九ちゃんとの再会
  その後、我が家にも子供が次々と生まれて、お父さんとしては稼がなくてはいきませんから、九ちゃんのこともしばらく忘れて生活に追われていたわけですが、ある日、本屋で九ちゃん関連の本がいくつか出版されていることを知り、思わず手にとって見てしまいました。
  あの飛行機事故の関連本は多数出版されていることは知っていたのですが、ちょっと怖さもあって手が出なかったのですが、九ちゃん関連だと何の抵抗も無く、、、
  あの「上を向いて歩こう」の作詞家の永六輔、奥さんの柏木由紀子さん監修、お兄さんの坂本照明さんらによって、私の知らなかった「人間・坂本九」が新たに目の前に現れたような感覚がしました。「目からうろこが落ちる」と言うのはこういうことを言うのでしょうか?
  実際の九ちゃんは、育った世界も特殊な世界。学生時代はかなりのワルだし、計算高いところもあるし、芸能界時代では自分の歌唱力に悩むし、酒も好きなくせに一緒に飲む人を選ぶし、、、あのテレビや映画のキャラクターは彼が苦労して作り上げた「スタイル」だったんですね。でも、それを知ったからといって自分の九ちゃんに対する感情は変わりませんでした。むしろ「そりゃあ、そうやろう。」と納得もしましたね。あんな、それこそ絵に描いたように天真爛漫な人間が実際にいたら、それこそ変人扱いでしょう。
  また、あまり良く知らなかった九ちゃんの結婚前後以降の活動も良くわかりました。あれだけ一世を風靡した大スターでも、生き方に悩み、ヒット不足に落ち込み、ほかの分野にジャンルを広げ、、、、歌をやめて喜劇の世界に行こうかとも考えていたなんて。そして結婚して、パパになって、、、私はこんな九ちゃんを知ったことで、ますます親しみがわいて好きになったんです。
  それにしても皮肉な話ですね。九ちゃんの死によってはじめて、私は九ちゃんをもっと良く知ることができるようになったのですから。
  それらの本の中で、九ちゃんが普段の芸能活動とは別に、福祉活動に力を入れていたことを知りました。それも結構若いときからはじめているんですねえ。「あゆみの箱チャリティ」運動は20歳台の半ばから、35歳からは北海道で「ふれあい広場・サンデー九」という福祉番組を始めています。
  
★ 教えられたこと
  そして、フッと気がついたのですが、九ちゃんが事故で死んだのは43歳のときだったんです。こんなことに今まで気がつかないなんて、、、、
  今の私の年齢は、九ちゃんをとっくに追い越しているではありませんか。いつまでもやさしいお兄さんだと思っていた九ちゃんはすでに年下。この事実はホントにショックでした。
  なんて言うのかなあ?へんな焦りのようなものを強く感じたんです。「九ちゃんは43年間の人生であそこまでやったんやぞ。オマエはこれからの人生で何をやるんや?もう九ちゃんの人生より長く生きてるやないか。」みたいな。
  もちろん、自分と九ちゃんを比べるなんていうこと自体がムチャやし、そんなことできっこないんですけど、ここで不思議なのは、あの九ちゃんの笑顔です。あの人懐っこい笑顔を思い出すと「お前でもできるから、なんかやってみたら?」って言われているような気がしたんです。
  そして、私は九ちゃんも熱心に取り組んでいた「手話」を覚えようと思いました。
  いまは、やっと50音ができるくらいですけど、九ちゃんの手話の歌「そして思い出」は何十回とビデオを見て覚えました。この手話で、いつかどこかで人の役に立つことができるかもしれない、、そう思いながら少しずつがんばって覚えています。

★ 惜別の思い、断ち切りがたし
  「あゆみの箱チャリティ」のテーマソングになっている「ともだち」という歌にはこんなフレーズがありますね。

  ふまれても 折られても 雨風が吹き荒れても 
  君の目の前の この僕の手に 君の手を重ねよう ホラ ともだちだ

  今の世界も、九ちゃんが歌う世の中になってくれたら良いのに、、、、アカン、アカン、また口惜しさがこみ上げてきた。あんなにがんばって生きてきた九ちゃんがなんで、、、あんなに好きやった九ちゃんが、、、目を閉じると、あの笑顔で歌っている九ちゃんがまぶたに浮かんできます。
  エ~イ、チキショウ、涙がとまらへん。

  息子よ、堪忍なあ、せっかくのオマエの誕生日やのに、ここ数年間、この日のオレはずっと泣きっぱなしや。あしたはどっかでうまいもんをご馳走するさかい、、こんなオヤジを許してくれ。 

◎20歳の笑顔も、40歳の笑顔もまったく変わらない。きっと60歳の笑顔も一緒だよね、九ちゃん。
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☆年齢     不詳
☆星座     さそり座
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         オートバイ
         ゴルフ
         ルアーフィッシング
☆嫌いなもの 他人のタバコの煙

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